2016-06-09 ある旅の物語 2 旅人からもらった本の最後のページには、旅人を呼び出す呪文が書かれていた。それからは毎晩、その呪文を使い旅人を呼び出した。旅人は僕の旅をほめてくれた。今日はうまくいったなというときはもちろん、もうダメだーって落ち込んでいるときでさえ。そのおかげで僕は調子に乗って今まで旅を続けてこれたのかもしれない。なかなか思うようにいかない僕の旅に旅人はいろんなアドバイスをくれた。「仲間をつくるといい。私は素晴らしい仲間に出逢えたよ。彼はとても素晴らしい。彼と出逢うために旅をしていたと言ってもいいくらいに」旅人は遠い目をしながら熱く語っていた。